歯が黄ばんできたら、ホワイトニングで効果的に白くすることができます。歯を削ったり、溶かしたりせずに白くできるので、若い人を中心に人気があります。しかし、ホワイトニングする前に虫歯がないことや、詰め物がとれていないかチェックが必要です。
ホワイトニングをする前に知っておきたいポイントについてお伝えします。
原則として、虫歯の治療中にホワイトニングを行うことはできません。ホワイトニングでは主に2つの薬剤が使われています。それは歯を漂泊する作用のある薬剤で、主に過酸化水素水や酸化チタンなどです。これらの薬の中には、虫歯を治療した際の詰め物の固定を緩ませる作用をするものがあります。
また、虫歯の炎症により、ホワイトニングジェルがしみてしまうこともあります。そのため、ホワイトニングは虫歯の治療が終わってからすることが一般的です。
詰め物をした部分は人工物であるため、ホワイトニングしても効果が期待できません。無理にホワイトニングしても、詰め物の部分の色と自分の歯の色が合わなくなり、かえって不自然な色になってしまいます。もしどうしても詰め物の部分の色が気になるならば、詰め物を入れなおす方法もあります。
たとえばセラミックの素材を使うことで、白くきれいな歯にすることもできます。セラミックは表面がつるつるしているので、プラークが付着しにくいという利点があります。歯との接着力も強力なため、隙間に炎症がおきにくく、虫歯が再発しにくいのも特徴です。
ホワイトニングで使用する過酸化水素水は、歯の汚れを除去し、エナメル質や象牙質の本来の明るさを取り戻す作用があります。しかし、日本人の象牙質はもともと黄ばんでいるので、健康な歯の人でも若干黄ばんでいるのが普通です。
ホワイトニングをすることで、エナメル質の乱反射を高め、象牙質の黄ばみを目立たなくすることができます。これをマスキング効果と呼び、加齢により歯が黄色くなった人にも効き目があります。一方、ポリリン酸やメタリン酸は、歯の組織ではなく、歯の表面についた黄ばみを除去する効果があります。
前歯をホワイトニングする場合、歯科医師がいるクリニックで行うオフィスホワイトニングと、自宅でセルフで行う方法があります。クリニックで行う際の主な流れは次のようなものです。まずは口の中の汚れを落とし、歯茎を傷めないように保護材を塗布します。
ホワイトニング用の薬剤を塗った後、特殊な光をあてて10分ほど待ちます。過酸化水素水は温度に対して効果的に作用する性質があるため、熱のある光を当てることでその反応を促進します。この施術を3回繰り返すことで、歯の表面の着色や汚れはきれいに落ちていきます。
最後に歯のコーティングを行い、ホワイトニングの施術は終了になります。
クリニックでする方法とは別に、自宅でセルフホワイトニングする方法もあります。一度来院して、虫歯や歯周病、あるいは詰め物がとれていないかチェックが必要です。その後、マウスピースを作り、完成後にマウスピースとホワイトニング用の薬剤を受け取ります。
自分でマウスピースの中にホワイトニング用の薬剤を塗布し、その後4時間ほど、はめたままにしておきます。これを毎日2週間続けて、再度クリニックに行きトラブルがないかどうか確認します。クリニックに来院して行うより、時間はかかりますが、自分のペースで行えるのが利点です。
「ホワイトニングは自宅でもできる!マウスピースを使った方法をご紹介!」
自分で行うときは、薬の扱いや保管方法に注意が必要です。ホワイトニングに使われる過酸化水素水は、暑いところに放置すると化学反応がおこってしまうことがあります。化学反応がおこってしまうと、せっかくホワイトニングしても、効果が無駄になってしまう可能性があります。
そのため、使用しない時は冷蔵庫に保管してしっかりキャップを閉めておくことが大切です。過酸化水素水は8度以下で保管することが望ましいとされていますので、夏場は特に常温に放置しないように注意が必要になります。
また、使用期限は購入から1年とされているので、使用期限内に使うようにしないと意味がなくなってしまいます。マウスピースの衛生管理も十分に行う必要があります。マウスピースは毎回使用後に水できれいに洗い、汚れをきちんと落としておきましょう。
マウスピースはプラスチック製のため、熱湯を使うと変形してしまうことがあります。
妊娠中の人や授乳中の人はホワイトニングはおすすめできません。それは薬剤が妊婦や赤ちゃんに与える影響についてはっきりわかっていないからです。また乳歯や生えたばかりの永久歯に対する影響も不明のため、子供には行うことはできません。
対象年齢は18歳以上と決められています。
また先天的に過酸化水素を分解する酵素が不足している人や光に対して過敏症な人も施術は不可です。また歯科医師や歯科衛生士が見て、安全性から不適当と判断した人もホワイトニングができません。
ホワイトニングした後は24時間、歯が色素を取り込みやすい状態になっています。この間に色の濃い食べ物や飲み物をとってしまうと、色素が沈着してしまう恐れがあります。コーヒーや紅茶、カレーライス、赤ワインや色の濃いジュースなどは、24時間以内には取らないほうが良いです。
もしも摂取してしまった場合は、すぐに口をゆすぐか歯磨きをするようにしてください。また、研磨剤の入った歯磨き粉を使用すると痛みを感じることがあるので、なるべく研磨剤の入っていないものを使うようにする方が良いです。
効果がどのくらい持続するかは、食べ物や飲み物、喫煙の有無などで個人差があります。一般的にホワイトニング効果は3~4か月持続するとされています。オフィスホワイトニングとセルフホワイトニングを併用することで、歯の白さを効果的に長持ちさせることができます。
詰め物や虫歯があるとホワイトニングをしても効果が期待できません。ホワイトニングをする場合は、虫歯や歯周病の治療をしっかり行ってからするのが一番です。また詰め物をした部分はホワイトニングしても、不自然さが目立ってしまいます。
その場合詰め物部分はセラミックなどにすれば白くきれいな歯にすることもできます。