歯を白くしたい場合、歯科医院や美容クリニックで行うこともありますが、マウスピースを使う方法があることをご存知ですか。マウスピースでのホワイトニングは、自宅で行うことが可能で、忙しい人にも合っているでしょう。
これから、マウスピースを使ったホワイトニングについて、特徴やメリット・注意点・ホワイトニングの流れなどをご紹介します。
自宅でマウスピースを使って行うホワイトニングのことを「ホームホワイトニング」といいます。マウスピースに薬剤を入れて、歯にはめる方法です。徐々に薬剤が歯に浸透していき、歯の汚れを分解します。ホームホワイトニングで使用している薬剤は、「過酸化尿素」です。
一方、歯科医院で行う方法を「オフィスホワイトニング」といいます。オフィスホワイトニングで使用する薬剤は「過酸化水素」で、使用薬剤が異なるのです。歯科医院で薬剤を歯に塗り、光照射を受ける方法になります。
ホームホワイトニングは自宅でできることがメリットで、頻繁に歯科医院へ行けない人に合っています。
オフィスホワイトニングの場合、週に1回来院し、30~60分の施術を受けなくてはなりません。
一方、ホームホワイトニングはマウスピースさえ作れば、自分でホワイトニングができ、確認のために受診する際も2週間に1度、30分以内で終わるのです。
ただし、自宅で1~2時間程度、マウスピースをはめる時間を確保しなくてはなりません。できれば毎日はめることが望ましく、その時間や手間をとれる人に向いています。歯科医院で行うオフィスホワイトニングは、歯並びが悪い人には合いません。
その理由として、歯並びが悪いと十分に光照射が届かないからです。また、口をずっと開けておくための器具をいれるため、口が小さい人や顎関節症の人も向かないとされています。一方、ホームホワイトニングは自分の歯型のマウスピースになるため、歯並びが悪くても、全ての歯に薬剤が行き届きます。
開口器具も必要なく、顎に負担をかけないでしょう。
ホームホワイトニングのメリットは、好きな時間に好きな場所で行えることです。マウスピースをはめなくてはなりませんが、自宅でくつろいでいる時や仕事をしている時など、好きなタイミングで行えます。また、自分でペースを調整しながら、徐々に歯を白くできるのです。
ホワイトニングが完了した後も、マウスピースを綺麗に洗って保管しておけば、数ヶ月後にまた始められます。ホームホワイトニングは徐々に白くしていくため、歯への負担が少ないこともメリットです。万が一、しみたり痛んだりした時には、時間を短く設定できます。
そして、ホワイトニングをして数ヶ月後には色戻りする人もいるでしょう。ただし、内側から分解する仕組みのため、色戻りが始まるまでの期間は長めになります。
ホームホワイトニングは、白くなるまでの期間がかかるため注意が必要です。マウスピースをはめても、1日で効果を実感するわけではありません。通常は数週間~数ヶ月かけて、徐々に白くしていくため、ゆっくりと効果が出ます。
また、刺激が少ない薬剤であっても、体質や装着時間によって、歯がしみる場合もあるでしょう。しみた時には、連日使用を控えたり、歯科医院でしみ止めの薬を塗ったりする場合もあります。さらに、ホームホワイトニングをしている時には、酸性食品を控えるのが望ましいです。
歯の表面が敏感になっているため、炭酸飲料や柑橘系の果物は、着色やしみる原因になってしまいます。
ホームホワイトニングを行う際には、最初に歯科医院へ受診します。口腔内の確認として、虫歯や歯石などの汚れがないかを確認してもらいましょう。大きい虫歯があった場合、マウスピースを付けた時に薬剤がしみて、痛みが出てしまいます。
よって、虫歯は治療をしてからホワイトニングを始めるのが望ましいです。また、歯科医院のスケーリングやPMTCと呼ばれる歯面研磨をすると、ヤニやステインが除去できます。それらの汚れを取った状態でホームホワイトニングをすると、効果を実感しやすいです。
一般的に、ホームホワイトニングを開始する前には、口腔内写真を撮り、現在の状況を記録します。マウスピースを作成する時には、歯の型をとります。次回の受診までに透明のマウスピースが完成するので、薬剤と一緒に受け取ったら、始めることが可能です。
歯科医院でシェードガイドと呼ぼれる色調見本を使い、現在の歯の色、目標とする歯の色を相談しておきましょう。ホームホワイトニングの時間は、1日約1~2時間です。マウスピースを付ける前に食事を終え、歯磨きをします。
その後、マウスピースに指定の薬剤を入れ、歯にはめるのです。何時間もマウスピースを付けると、知覚過敏の原因になるため、指定の時間を守るようにしましょう。また、マウスピースを外した後も、30分~1時間程度は飲食を避けます。
ホームホワイトニングは数週間に1回のペースで受診して、シェードガイドで色の変化を確認します。また、知覚過敏や歯ぐきの違和感など、トラブルがないかを確認してもらうことも大切です。目標の歯の色になるまで、数週間~数ヶ月、ホームホワイトニングを続けます。
さらに、完了した後も定期的に歯科医院へ行き、歯のクリーニングをしてもらうといいでしょう。
ホームホワイトニングを長持ちさせるためには、着色しやすい嗜好品や飲食物を避けることが重要です。例えば、タバコはヤニとして着色しやすくなります。また、色が濃い食品として、カレーやワイン・ブルーベリー・コーヒーなども注意が必要です。
ただし、飲食を避けるのではなく、飲食後にうがいや歯磨きをすると、着色のリスクを減らせます。よって、口の中に着色しやすい色素を残さないようにしましょう。タンニンやカテキンなど、「渋」と呼ばれる成分が入っているものも着色しやすくなります。
お茶を飲んでも構いませんが、水でうがいをするのが効果的です。
マウスピースを使ったホワイトニングは、自宅でできるため、気軽に始めやすいです。効果はゆっくりと出る方法ですが、自分のペースでホワイトニングできるでしょう。始める際にはメリットとデメリット・手順などを理解することが大切です。
また、歯並びや希望する治療方法・期間によって合うホワイトニングが変わるため、まずは歯科医院で相談してみるといいでしょう。